奈良のデザイン事務所、パーキーパット・デザインズ代表の前田です。
今回は、「こちらからお問い合わせください」という言葉が万能か?というところを突き詰めていきます。WEBサイト(ホームページ)や直接の営業の場でも「お問い合わせください」「気軽に相談してくださいね」と伝えることが多いと思いますが、果たしてその伝え方や連絡手段が、お客様にとってふさわしくて、本当に「気軽に」相談できるものなのかを、考えていきます。
まず最初に何が言いたいかを書くと、「こちらからお問い合わせください」という案内だけでお問い合わせがくるのか?ということです。そこから問い合わせフォームが設置されていることが、お客様が相談しやすい状況として正しいのか?ということなのです。
その「お問い合わせください」という言葉(これは声に出す、サイトに載せている、どんな形でも)でOKとしてしまうのは、思考のストップになっているような気がするのです。例えばインターネットで良いものに出会い、問い合わせるという行為を分解すると、以下のようなものではないでしょうか。
えーと、僕の経験上でハッキリと言いますが、これはスムーズに進んだときの例です。この通りいかない場合はよくあります。機会損失も出てるかもしれません。そしておもしろいことに、サイト制作側と企業やショップ側は、お客様がこれでしっかり問い合わせてくれると信じています。
どうしてスムーズに進むと信じているかというと、昔からこのパターンが定着されているからです。WEBサイト(ホームページ)には問い合わせフォームがあって、そこから連絡がくれるものだ、という認識ですね。
でもでも本当に、聞きたいことを全員が全員、問い合わせフォームから聞きたいのでしょうか? 例えば文字には起こせないけどこのモヤモヤを電話で伝えたいという人もいれば、今すぐフィードバックがほしいくらいこっちは困ってるのに返信メールを待っていられないという人もいるでしょう。
もっともっと根本的に「問い合わせる」という行為自体がピンとこない人もいるかもしれません。「聞きたい」けど「問い合わせたい」わけではないのだけど…というニュアンスです。
そうすると「こちらからお問い合わせください」というワードが、不親切にも感じてこないでしょうか? もっと良い伝え方、そして連絡手段を用意してもよさそうですよね。
でも今でも大体この形じゃないかと言われれば、そうですし、僕も制作する上では考えとして挙がります。もちろん「こちらからお問い合わせください」は決して間違いではないのですが、僕はここに思考停止の危険信号が灯っているように見えてしまいます。
ちゃんと考えられて、「こういう見せ方にして、こういう段取りでウチのターゲットは『こちらからお問い合わせください』で大丈夫!」ならOKでしょう。なにも考えずに問い合わせフォームを設置していませんか?
適切かどうかの思考をして、「ウチは電話の方が問い合わせてもらいやすいかも」とか「問い合わせじゃなくて、相談という言葉の方がしっくりくるかも」とかいう答えが出てくるなら、必ずそちらも検討すべきです。
じゃあ自分のところはどうなのよということで、当事務所パーキーパット・デザインズのWEBサイトを見ていただきたいのですが、「お問い合わせ」あります。そして加えて「デザイン診断」と「SNSで気軽に相談」も作りました。他にここまでされてるところはないかもしれません。
特にデザイン関連の相談そういう場合多いのですが、「何をどう相談したらよいかわからない」ということが多々にあります。これはお客様が悪いのではもちろんなくて、デザインってそういうモノなんですよね。それを形にするのが我らプロなので、フワフワとしていて当たり前なのです。
それを「こちらに問い合わせ内容を記入してください」では、人によっては不親切だと考え今のスタイルにしました。特にSNSで相談していただくのを推したいです。DMやチャットで話し言葉の方が伝えやすかったり、反応もポンポン出せるのでやり取りがスムーズにいきます。時にはその場でビデオチャットに切り替えて話すときもあります。(とても便利!!!!)
こういう思考が、お客様とのとっても大事な接触では重要になってくるのではないでしょうか。
以上が僕の「こちらからお問い合わせください」への気持ちです。思考することとっても大事なんです。
上記のような、「問い合わせる」にも様々な検討材料は出てくるわけで、お客様がイメージしやすいのはどんな表現なのか、どんな手段なのか、そういった思考をしていくことで、より良い成果へと繋がるのではないでしょうか。
「こちらからお問い合わせください」は万能かもしれませんが、一度はこれで本当に大丈夫かどうかを考えてみてはいかがでしょう。