奈良のデザイン事務所、パーキーパット・デザインズ代表の前田です。
今回は当事務所でよくある相談内容に関してのお話です。ちょうどですね、お客様とお話しすることがあって、どんな相談が多いですかということを聞かれまして、そういえば多いのは、「〇〇が作りたいのだけど、どう依頼したらいいかわからない」というご相談が多いですねという話で盛り上がりました。
今回はそういった、「どう依頼したらいいかわからない」ということについてのお話です。
どこに依頼したらよいかわからないので、あなたに問い合わせてみた、相談してみた、という状況は僕にとってはとても光栄だと感じています。(あえて当事務所ではなく僕と記します)とてもとても嬉しいご相談です。
「どうしたらいいかわからないけども、この人に聞いてみたらなんとかなるか」という存在だとイメージしていただけているということかなと、良い意味として解釈させていただいております。
これ間違ってはいけないのは、お客様が「デザイナーに丸投げしてしまいたい」という意味では決してないと僕は考えています。例えばよく知った深い仲であれば、「信頼してるし今回も良い感じでお願いね」ときても二つ返事でいけるかもしれません。でも全く依頼していない相手には不安な気持ちがあって然るべきかと思います。丸投げ…とはいかないですよね。
僕も、デザイン物はお客様があって成り立っているものだと考えており、プロがお客様と一緒に作るものだと考えています。しっかりとヒアリングさせていただき、〇〇を作る上で、まずは何が必要かの情報をいただいて、どういった目的でどういった成果を求めているのかを明らかにしていきます。最初はふんわりとした相談から、しっかりと詳細をどんどん深掘りしていきます。
どう依頼したらいいかわからないけど聞きたい話したい相談したい、そういった状況をプロが作ることは、とても大事だと考えています 。
「あの人に聞いたら何とかしてくれる」
これこそプロである証拠かなと僕は思います。逆に「〇〇を作りたいので、△△について依頼したいです。これが設計図です」なんてお客様がしっかり理解されて準備してこられるなんてこと、変ですよね。依頼するお客様が、〇〇を作ることについてプロに依頼する前に、準備して用意して誰が担当か決めて…いろいろと整えた上でプロに相談しに行く、こんなことって他の業界ではありえない話ですよ。
たまにSNSなどで、デザイナーさんやディレクターさんが、先方から何も情報がなくてざっくりとした指示しかない…という愚痴を見かけたりしますが、それはプロとして自分がしっかりと深掘りできていないという証拠であり、プロである自分を自ら貶めているように、僕は見えてしまいます。
そんな愚痴を言わずに「ちゃんとコミュニケーション取ったらいいんじゃないかな」、そう思うんですよね。それでもどうしても上手く進まない案件もあります。それはまた別の問題があるんでしょう。ちゃんとそこを解決すればよいだけです。
接客と同じでお客様に正しく接して、しっかりした情報を得る、お客様に対して正しく応対することを意識掛けることは大切ですね。
何をどう依頼したらいいかわからないのが、お客様にとっては当たり前のことです。大切なのはプロがそれをどう対処するか、でしょう。そこを「なんとかしてくれる」とご相談いただけるのはとても光栄なことです。
今回は何を言いたいかですが、お客様は「何もわからなくて大丈夫」ということです。そこから「わかってもらっていく」ようにするのがプロの仕事です。よくプロに頼まれることを警戒される方もいらっしゃいますが、そういった不安を解消する専門家のようなものです。ご安心ください。
ちなみに、よく相談がある他のものとして、「プロに作ってもらったけどこれでいいか、自信がないので見てほしい、改善点はないか見てほしい」という内容などもあります。これについてはまた別の機会にお話ししたいなと思います。