奈良のデザイン事務所、パーキーパット・デザインズ代表の前田です。
今回は、わかりやすいデザインとは何かを考えていきます。そもそもデザインというのは、わかりやすくないといけないのか、それともわかる人だけがわかればいいのか…。そういったところからも、人によって考えが違うかもしれませんが、そんな区別が難しい「わかりやすいデザイン」についてお付き合いくださいませ。
当事務所そして、その代表である僕こと前田は、「デザイン」はわかりやすくすることが大切だと考えています。それが僕のデザインの制作への意識です。
同業者の中で話題になる、「このデザイン素晴らしい」、「このデザインは秀逸だ」といったものもありますが、そこでわかりやすさが抜けている物は、ちょっと首をかしげてしまうんですよね。アートとデザインの境目みたいなところかもしれませんが…。
もちろん、オシャレやカッコいいといった見た目の要素は、デザインする上で必ず付随してくるものです。だってカッコよくないと嫌ですよね、可愛くないとよく見えませんよね。ただし、それらが先行しすぎて、「わかりやすさ」が抜けてしまうと、僕はちょっと違うかも…と思うのです。
根源にある僕の考えるデザインの存在価値を簡単にお伝えすると、「良いものを、これは良いものですよとしっかり相手に伝えるもの」それがデザインの役割だと考えています。
なので、僕がデザインする上での思考として、これがどうわかりやすく伝わるのか、誰に向けたらこれがよく伝わり買ってくれるのか、どういう表現が伝わりやすさに貢献してくれるか、そういった思考を大切にしています。
それでは「わかりやすいデザイン」とは何かを考えていきましょう。これも語れば語るほど言葉は出てきてしまうのですが、これが上位で大事かなというのを今回は挙げさせていただきます。(文字サイズとか色とかそういう以前の話をします)
以上のようなことがまずは「わかりやすいデザイン」としてとても重要だと考えています。それらができてこそ、わかりやすいデザイン物だと言えるかなとしています。では一つ一つ見ていきましょう。
これはとてもシンプルで、とても重要なことです。人というのは、わけのわからないものに拒否反応が出るものです。よくわからないから触れないでおこうというのが当たり前の思考にあると思います。
ですから、ポスターでもWEBサイト(ホームページ)でも見たときに、何の内容かよくわからないなと思われるのはNGなんです。カッコいいオシャレなデザインだと陥る危険があるんですよね。ファーストコンタクトで、ちゃんと何のデザイン物かを認識してもらうことはとても大切なことです。
ここは伝えるということに直結するところです。そのデザイン物を見て、商品を購入するのか、セミナーに参加するのか、ラーメン屋に行けばいいのか、そういった情報を得られるかどうかですね。
はたまた毛色が違いますが、ただただ感動すればよいのか、笑って誰かに伝えればよいのか、そういった誘導をしているかも検討材料の一つです。SNS時代に必要な思考ですね。
店名や地図に連絡方法などに気付いてもらえるかですね。すべきことがわかったら次の行動へと移ってもらうための情報に気付いてもらえるか、気を回せているかで全然違います。
「とても良い商品だ!で、どこで買えばいいの?実店舗?ネット?」なんてこと少なくありません。よく見たら書いている…ではわかりやすさはありません。動線と言われたりしますが、まずどこを見て二番目にこれを見て、三番目、最後にここという気付いてもらうための誘導ができないといけません。
最後はこちら、根本的なことを言うようですが、そのデザイン物が自分にとって良いもの/悪いもの、関係あるもの/ないものかを、選択できることです。わけがわからずポイ!とは違います。ちゃんと内容が知れて「ふむふむそういうことか」となり、そこから行動するかしないかを選んでもらうということを促せるかです。
この段階でNOだとしても、「今はタイミングが悪いから」と頭の中に残ってくれるかどうか、この選択にも関わる意識だと考えています。ここで記憶に残れるだけでも、デザイン物の役割はしっかり果たせるでしょう。
以上、「わかりやすいデザイン」について記しました。普段の僕の制作意識と繋がる内容であります。わかりやすいことが正義!だなんて大袈裟なことは言いませんが、わかりやすいことに自信を持って、デザインについて向き合っています。
わかりやすいデザインにトコトンこだわりたいですし、それがデザイン物にとっても、お客様にとっても一番優しい結果になると信じています。
ここでオマケとして付けたいしたことで、僕は定番を外すことを嫌います。定番はわかりやすさと直結していると考えています。物珍しいことをすれば目立つかもしれないけど、それで「わかりやすさ」から逸脱するのはお門違いですよね。
定番といえ、その中には幾千もの手があるわけで、まだまだその手を全部出し尽くしてもいない(まだまだ知らないものもある)ので、定番でまずは考えていくということをしています。
さて、今回の記事、わかりやすい内容だったでしょうか?