奈良のデザイン事務所、パーキーパット・デザインズ代表の前田です。
今回は、企業でのSNS運用は通用するのかどうかを考えます。SNSといえばその話題になった内容が、ニュースにも取り上げられるほどに身近なものにはなってきています。SNSをやっていない人でも、どんなものがあるかは想像できるくらいの浸透はしていますよね。
個人で楽しむことが優先されるSNS、これを企業が使うという面で見て、本当に有効なのか、必要不必要は会社によってあるのかなどを考えていきましょう。
以前の記事「企業で運用するSNSとの付き合い方 ~全般的な心得編~」にて、SNSはすぐに始められるからこそ、終わりもとってもすぐにやってくるという内容をお伝えしました。運用はちゃんとやればできますが、そうじゃないと尻すぼみになってしまうのが、企業アカウントの性質といえます。
それの大きな要因は、反応がすぐには返ってこないというところを前記事で説明したのですが、さらに深い要因は、ユーザーが企業アカウントは素直に受け入れ難いものである点にもあります。
企業アカウントを受け入れ難い理由は、個人がメインのSNSは、どうしてもビジネス目的が出るものを嫌う傾向にあります。ステマなどもそれがバレると炎上していたりしますよね。
企業アカウントがユーザーに嫌われるポイントは、商品を売る、お金を払ってもらうという目的が見え見えだという点ですね。楽しみたいSNSでそんな話しても嫌だし、そんな目的でやってるのが気に入らないと思われる傾向にあります。
話題の商品の公式情報などだったらよいのですが、それも目的は「買いたい」のではなくて「情報を知りたい」という点であり、ビジネス色ではなく良い情報をユーザーは求めています。言ってしまうとそのとき限りの関係を求めていないんですよね。買って売っての関係はSNSでは悪評価に繋がりがちです。
また、企業アカウントが嫌われるポイントとして、直接ビジネス色が感じられなくても避けられる傾向にありまして、僕はそこが一番痛いところじゃないかなとも感じています。
それは、企業であれば世間体的にもお客様的にも、SNS上で変なことは言えないので、当たり障りない無難な内容の発信になってしまいます。そう、単純に「おもしろくないアカウント」になってしまい、ユーザーは引いていきます。
朝にお店が開店したという報告、誰かと打ち合わせ中という情報、スタッフが休憩中にお菓子を食べてる写真…、企業として出せる情報は仕方なくこの程度かもしれませんが、そういうことを知りたいからSNSをやっていないというのが、ユーザーの正直なところです。
そして、発信頻度も大いに関係していると分析しています。SNSは基本ナマモノで、そのときに流れた情報は、遡って見られることはあまりありません。なので、発信をたくさんしないと多くの人に見られないというのが普通の思考でしょう。しかし、先述したユーザーの求めていない情報がたくさん流れても迷惑なだけです…。自然とフォロワーが減ってしまうこととなります。
ちょっとネガティブなことを書きすぎましたね…。でもこれほどのリスクがあるというのは知っておいて運用した方がよいです。「じゃあどうしたらいいのよ」ってところですが、先述したことを踏まえた施策を考えていく必要があります。
NG事項の逆をいくと以下のような運用の仕方になるのではないでしょうか。
内容はおもしろく…、これが一番難しいですが、喜ばれる画像や動画は一番良い方法でしょう。あとはその企業の色にあった楽しい発信ができるかに掛かってきます。この点はもうコンサルが入って熟考しないと出てこない答えでありますね。
「宣伝はあまりできないし、そんな運用意味あるのか?」という疑問が出てきます。正直その疑問にはYESともNOとも言えてしまいます。企業によってSNSに向いている向いていないが大きくわかれるからです。だから根本的な「SNSやる・やらない」「どのSNSなら運用できるか」を考えるところから始めないといけません。僕も相談があった場合は、そこから会議します。
以上、企業アカウントのSNS運用について考えました。結論は、NG事項を避けつつ運用していき、上手くいく企業もあれば失敗する企業もあります。ということで大切なのは、自社がSNSを運用すべきかどうか、まずはそこからしっかり考えることが必要ということになります。気軽に始められるけど、それじゃ企業アカウントとして成り立たないかもという点が懸念材料となるでしょう。
今や、SNSに関するコンサルのプロも存在するくらいです。当たれば成果はしっかりと出ますが、失敗する可能性も多大にあることを踏まえつつ、運用について考えていきましょう。
じゃあ、どういう運用なら有効かについては、また別の機会にお話します。